閉鎖病棟 前編
20才の青柳さつきは、新人看護婦として石川総合病院で働くことになった。一緒に採用された太田奈穂は、看護学校時代から何かと、さつきをライバル視している。彼女は仕事が遅い分、要領の良さとハッタリで勝負するタイプ。逆にさつきは、真面目なのに肝心なところで失敗をして損をすることが多い。院長の石川豊は、婦長の加藤百合子と愛人関係にある。「今年の新人看護婦はなかなか可愛い」とニヤニヤしていると、百合子に怒られる。院長の一人息子で後継者の英之は腕のいい外科医。ハンサムで独身の彼は、病院中の女性の憧れの的。学生時代からの知り合いで、産婦人科医の中村みどりといずれ結婚するのではと噂されているが、婚約しているわけでもなさそう。当然さつきも一目会った時からポーッとなったが、どうみても釣り合わないと思い諦めてしまう。しかし、ひょんなことから英之の方がさつきに興味をもちはじめていた…
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